»公式Twitter開設しました

なぜ中学一年生はいじめが多いのか?―親ができること、知っておくべきこと

中学生

こんな悩みありませんか?

mama
mama

中学に入ってから子どもが元気がない…
学校の話をしてくれない、もしかしていじめ?

kimi
kimi

私も…子どもが中学1年になったばかりなので心配に思っています
幸い、うちの子たちは友人に恵まれて楽しく通ってくれています。でも、仕事柄、いじめに苦しむ子どもたちを実際に見ているので、他人事には思えません。

「中学一年生になったばかりのわが子が、なんだか元気がない…」
「部活も始まったのに楽しそうじゃない」
「学校の話を全然してくれない」

こんなふうに感じている親御さん、少なくないのではないでしょうか。

新しい環境にワクワクしていたはずの中学生活。しかし現実には、中学一年生の「いじめ」が多いというデータやニュースが後を絶ちません。時には深刻な事件にまで発展し、子どもたちの命を脅かすケースすらあります。

「うちの子は大丈夫だろうか…?」
「いじめって、なぜ中1に多いの?」

そんな疑問や不安を抱えながらも、誰に相談すればよいのかわからず、ただ日々を過ごしてしまっていませんか?

私は精神科訪問看護師として、いじめが原因で学校に行けなくなった子どもたちの訪問支援も行っています。親御さんの苦しみも、子どもたちの傷ついた心も、現場でたくさん見てきました。

そして、自分の子どもが中学に入学した今、その不安はさらに“リアルなもの”として迫ってきます。

この記事では、なぜ中学1年生にいじめが多いのかという理由を心理的・社会的な側面から解説しながら、親としてできること、気をつけたいサイン、実際にどんなサポートが有効かなどをお伝えします。

この記事でわかること

なぜ中学1年生でいじめが増えるのか?
┗ 環境・発達・人間関係の変化など、背景にある理由を解説します。

いじめにあいやすい子どもの特徴と、親が気づきにくいサイン
┗ 子どもの変化にどう気づくか?見逃さない視点を紹介します。

実際に見聞きした現場の声と、私自身の子育てのリアルな気持ち
┗ 精神科訪問看護師として関わった子どもたちと、わが子への想い。

親ができる具体的なサポート・声のかけ方・学校や支援機関との連携方法
┗ 「うちの子は関係ない」で終わらせない、いざという時の備え。

【なぜ?中学一年生にいじめが多い3つの理由】

~保護者が知っておきたい“見えにくいリスク”~

1. 環境の大きな変化と「序列づくり」の始まり

小学校から中学校へ進学すると、子どもたちはいきなり新しい人間関係に放り込まれます。クラス替え・担任の交代・部活動・校則・上下関係など、すべてが「一からのスタート」。
そのなかで、多くの子どもが無意識に「どの立ち位置にいれば安心か」を探ろうとします。

特に男子の間では“上下関係”や“力関係”が急激に可視化され、「からかい」「仲間外れ」「指示役と従属役」といった構図が生まれやすくなります。
女子の間では“グループ形成”が強まり、LINEなどのSNSも加わって、表面上は穏やかでも心理的ないじめが複雑に起こることも。

中学1年生はまだ精神的に未熟な段階で「新しい群れの秩序づくり」が始まるため、いじめのような現象が生じやすいのです。


2. 思春期の入り口=不安定なアイデンティティと自己防衛

中学1年生はちょうど思春期の入口に立つ時期です。
身体の変化とともに、心も敏感になり、「自分がどう見られているか」を過剰に気にするようになります。

この時期の子どもたちは、

  • 自分の居場所を確保したい
  • 認められたい
  • 弱さを見せたくない

という欲求がとても強く、それが時に「人を下げることで自分を守る」「誰かを仲間はずれにして安心する」という行動につながってしまいます。
これはいじめの加害者・傍観者側だけでなく、被害者側に回ってしまう子にも強いストレスを与える要因です。


3. 大人の目が行き届きにくい構造

中学校では担任の先生が全教科を受け持つ小学校と異なり、教科担当制になります。
そのため、教員一人が子どもの全体像を把握するのが難しく、日常の小さな異変に気づくことが遅れるケースも多く見られます。

また、部活動や上下関係の中でのいじめは、表に出にくい隠れた場所で起きがちです。
学校側も「いじめ認定」に慎重になる場合があり、実態把握が遅れることで被害が深刻化することも。


このような理由から、「中学一年生のいじめ」は表面的には見えづらく、しかし裏では進行している――という状況が多く起きているのです。

【私の場合:中学1年生の子どもと、現場で見てきた現実】

我が家にも、今年から中学1年生になった子どもがいます。
ありがたいことに、今のところは楽しそうに登校し、部活の話や友達とのやりとりも笑顔で話してくれています。親として、それだけで本当にホッとしています。

でも――安心しきることは、できません。
なぜなら、私は精神科の訪問看護師として、小中高生の子どもたちとも日々関わっているからです。

そのなかには、「いじめ」がきっかけで学校に行けなくなった子どもたちもいます。

  • 親に言えず、誰にも助けを求められず、布団から出られなくなった子
  • 教室に入れなくなり、別室登校になった子
  • 部活動での先輩からの無視や命令に耐えきれず、退部した子

「それって、いじめじゃないの?」と感じることも多々ありますが、本人が「いじめ」と認めないケースも多いのです。
むしろ、「自分が悪い」「嫌われる自分がダメなんだ」と、自責の気持ちを強く持っている子もいます。

そして、ニュースで見かける中学1年生の自死の報道があるたび、胸が締めつけられます。
「うちの子が、明日突然そうなる可能性だって、ゼロじゃない」
そう思うと、他人事には到底思えません。

子ども自身が元気そうにしていても、心のなかには小さな「無理」が積み重なっているかもしれない。
だからこそ、私たち大人は“想像力”と“観察力”を持って、子どもと関わる必要があると痛感しています。

【親にできることは?中学一年生のいじめを防ぐ・気づくための5つのヒント】

中学1年生は、親からすると「もう小学生じゃない」と思いがちですが、まだまだ不安定で、サポートが必要な時期です。
目に見える“いじめ”がなくても、子どもが心の中で傷ついていないかを察する力が、大人には求められています。

以下は、私が現場での支援や子育てを通して実感している、具体的なアドバイスです。


1. 「学校どうだった?」よりも、「今日、何か面白いことあった?」と聞いてみる

いじめを受けている子ほど、「学校どうだった?」と聞かれても「普通」「別に」としか答えられません。
質問を変えて、気持ちや感情を引き出すような声かけにしてみましょう。

  • 「お昼の時間って誰と食べてるの?」
  • 「最近仲良しな子ってどんな子?」
  • 「先生ってどんなタイプ?」
    など、“日常のスナップショット”を引き出すような対話がおすすめです。

2. スマホやSNSの使用状況は、必ず家庭でルール化を

LINE・インスタ・グループチャット…今の中学生にとって、いじめはネット上でも起こるのが当たり前です。
家族で「時間」「使い方」「困った時の相談窓口」を話し合っておくことで、孤立を防ぐ手段になります。


3. 子どもの「小さなサイン」を見逃さない

次のような変化があったら、注意して観察してみてください。

  • 急に食欲がなくなる・寝つきが悪くなる
  • 私物を壊される・なくすことが増える
  • 「学校に行きたくない」と曖昧な理由を言い出す
  • 服装や髪型が急に変化する

これらはSOSのサインである可能性もあります。問い詰めるよりも、「どうしたのかな?」と寄り添う姿勢が大切です。


4. 学校との距離感を“あえて縮める”努力を

中学に入ると「もう学校に任せればいい」と感じる保護者もいますが、いじめは見えない場所で起こることが多いため、むしろ大人同士の連携が重要です。

  • 担任や養護教諭とこまめに情報交換する
  • 面談の場では「何か心配な点はありますか?」とこちらから尋ねる
  • 学校の様子を具体的に聞き取る質問を心がける

学校と家庭がつながることで、子どもも「見守られている」と感じられるようになります。


5. 必要であれば、外部支援を迷わず使う

子どもが苦しんでいるのに、「様子を見よう」と時間をかけすぎるのはリスクです。

  • スクールカウンセラー
  • 児童相談所
  • 心療内科や精神科
  • 訪問看護など地域の支援機関

どれも、子どもと家族の負担を軽くしてくれる手段です。“相談=大ごと”ではなく、“予防策”としての相談”と捉える視点が大切です。

【まとめ】「うちの子は大丈夫」と思わない勇気を

中学一年生というタイミングは、子どもにとって環境も心も大きく変化する時期です。
その中で、いじめや孤立が起きやすくなるのは、決して「特別な子」に起きているわけではありません。

真面目で優しい子ほど、SOSを出すのが遅くなります。
明るく見えていた子が、突然学校に行けなくなることもあります。
“いじめ”という言葉がつかなくても、心が深く傷ついている子どもたちを、私は何人も見てきました。

だからこそ、私たち親ができるのは、

  • 普段の小さな変化を見逃さないこと
  • 話しかけられる「安心できる空気」をつくること
  • 必要なときには外部の力を借りる勇気を持つこと

この3つに尽きるのだと思います。

私も、いち母親として、いち支援者として、
これからも「子どもたちの心に寄り添う大人」でいたいと思っています。

kimi
kimi

あなたのお子さんが、今日も学校でどんな気持ちで過ごしているか――
一度、じっくり想像してみてください。

「何かあったら、いつでも味方だよ」
そう伝えられる大人がいることが、子どもにとって最大の“安心”になります。

見えにくい時代だからこそ、目をそらさず、耳を澄ませて。
一緒に、子どもたちの未来を守っていきましょう!

タイトルとURLをコピーしました