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夜の不安をやわらげるために。心を整える「自分との付き合い方」

メンタルのはなし
kimi
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日が沈み、あたりが静かになると、日中は蓋をしていた不安や孤独感が急に大きく膨らむことがあります。 「明日が来るのが怖い」「あの時の自分の言動は正しかったのか」「この先どうなってしまうんだろう」 そんな思考のループ(反芻思考)にはまってしまうのは、あなたが弱いからではありません。夜という時間帯が、脳を不安にさせやすい性質を持っているからなのです。

今回は、精神科看護の現場で私たちが大切にしている「夜の不安との上手な距離の置き方」について詳しくお伝えします。

「話しすぎ」が逆効果になる理由

不安なとき、誰かに話を聞いてもらうことはとても大切です。しかし、実は「話しすぎること」が、脳をさらに興奮させてしまう場合があるのをご存知でしょうか。

30分、1時間とお話を続けていると、脳の中で不安な感情が何度も再生され、神経が過敏になってしまいます。お電話を終えたあとに、余計に目が冴えてしまったり、不安が強まってしまったりするのはそのためです。

私たちが訪問看護の現場で電話対応の時間を「15分」と区切らせていただいています。その理由として「今の苦しさを吐き出す」効果を最大にしつつ、「脳を疲れさせない」ための、いわば心の安全のためなのです。

今すぐできる、体から心に働きかけるワーク

不安で頭がいっぱいな時は、言葉で考えるのを一度お休みして、「体」の感覚に意識を集中させてみましょう。

セルフハグ(バタフライ・ハグ)

自分の両肩を抱くように手を交差させ、左右の肩をゆっくりと交互にトントンと叩きます。自分の手のぬくもりを感じながら、「大丈夫だよ」「ここにいるよ」と自分に伝えてあげてください。これは安心感を司る脳の部位を刺激する方法として知られています。

筋弛緩法(きんしかんほう)

あえて体にグーッと力を入れます。肩をすくめ、拳を握り、5秒間全力で力を入れた後、一気に脱力します。力が抜ける時のジワーッとした感覚に意識を向けると、体と一緒に心も緩みやすくなります。

5-5-5呼吸法

  • 5秒かけて 鼻からゆっくり息を吸う
  • 5秒間 息を止める
  • 5秒かけて 口からゆっくり吐き出す これを数回繰り返すだけで、自律神経が整い、体が「安心モード」に切り替わりやすくなります。

五感に意識を向ける(グラウディング)

考えすぎて頭がパンパンな時は、感覚を「今、ここ」に戻しましょう

  • 香り(嗅覚): ラベンダーやオレンジなど、自分が「ホッとする」と感じるアロマを嗅いでみましょう。嗅覚は脳の感情を司る部分にダイレクトに届きます
  • 触覚: もこもこのブランケットにくるまる、ペット(ワンちゃんや猫ちゃんなど)の温もりを感じるのも、オキシトシンという安心ホルモンの分泌を助けます。
  • 聴覚: 自然の音(雨の音や川のせせらぎ)などのホワイトノイズを流すと、静寂による不安が和らぎます。

「不安」に名前をつけて、一旦横に置いておく

不安が次々と湧いてくる時は、ノートにそのまま書き出してみてください。「あ、私は今、明日の仕事のことが不安なんだな」「人間関係を心配しているんだな」と、客観的に眺める(外在化する)だけで、不安の支配力は弱まります。
書き出したら、「この悩みは、明日の朝9時の私が引き受けてくれる。今の私は休んでいい」と自分に許可を出してあげましょう。

不安の多くは「明日のこと」「先のこと」だったりします。思いつく不安やタスクを一度紙に書き出してみましょう。「紙に預ける」ことで、脳が「今は考えなくていいんだ」と判断しやすくなります。


私たちが「15分」という時間を大切にする理由

私たちが運営している訪問看護ステーションでは、夜間等のお電話相談の時間を最大15分とさせていただいています。 それは、「話してスッキリする」ことと、「話しすぎて疲れてしまう」ことの境界線が、そのあたりにあると考えているからです。

お電話で思いを吐露したあとは、ぜひ上記のセルフケアを一つでも試してみてください。 それでもどうしても苦しい時は、無理をせず、再度ご相談くださいね。私たちは、あなたが自分自身の力で夜を乗りこなしていけるよう、伴走し続けたいと思っています!

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