
先日、私の従兄が自ら命を絶ちました。まだ50代でした。
従兄とは幼少期よく我が家に泊まりに来てくれたり、海に連れていってくれたり優しい従兄のお兄ちゃんのイメージしか残っていません。
行方不明になったと知らせを聞いたのは昨年末長崎に帰省した際に母から聞きました。
母から、従兄のお母さん(私のおば)が最近従兄の兄に「従兄のお母さん(私のおば)が、最近、 従兄に『自殺したら保険が降りないんだよ』『葬式も上げられないよ』って言ったらしいのよ」と。
内情は分からないけど本人が「死にたい」等のことを言ったのかなと推測されます。
行方不明になった日、いつもは敷きっぱなしの布団が綺麗にたたまれスマホを壊していなくなっていたそう。
行方不明から2か月、自宅から離れた山中、車の中で亡くなっていたと知らせが来ました。優しい従兄のお兄ちゃんの思い出しかないまま私はどんよりした思いを私の姉妹(姉2人と妹)のグループLINEで従兄の思い出を語らい、どうしてこうなったのかなという話をしました。
叔母が従兄に放った言葉。「死にたい」と息子に言われたらそんな返答でもして死なないでほしいと思うのが親心でもあるとは思います。
私の姉妹もみんな子どもを育てており「我が子に言われたら死なないでほしいとしか言えない、死なない選択をするような話しかできない」と。
それも分かります。
私も間接的にしか従兄のはなしは聞いていないし、実際に家族や我が子に言われたら咄嗟に止めてしまうかもしれません。
しかし、「死にたい」と言葉にするのは本当に限界で絞り出した思いであること。ましてや実の親や家族に言えば悲しむことをやっとの思いで話すその背景を是非想像してください。
もしも大切な人にそういわれたら、「頑張って話してくれてありがとう」と頑張って話せたことをまず労ってほしいです。そしてハグをしてください。
そこから、黙って思いを聞いてあげてほしいです。死にたい気持ちをやっと吐き出して否定されるのは絶望的な気持ちになります。絶望からさらに絶望を見せないよう一度必ず受け止めてほしいです。
従兄の死や叔母の言葉を批判しているわけではありません。
希死念慮が出てしまうのには、必ず理由があります。もし、 あなたの大切な人が苦しんでいるサインに気づいたら、どうか、一人で抱え込まずに、気持ちを受け止め、専門家に助けを求めることを検討してください。
従兄の死を無駄にしたくないからこそ、私はコラムを書きました。精神疾患は、決して他人事ではありません。自分や自分の大切な人たちを守るために、行動を起こしてほしいと心から願っています。